虹の彼方へ~運命の赤い糸は1枚の写真~ 《シリーズ本編》
キャップで顔が隠れ、応対しているスタッフも他の者も忙しくしているので誰も気づいていないが、女性スタッフの近くで一部始終見ていた蓮は、彼女の澄んだ声と隠しきれていないオーラを感じ取り目が釘付けになっている。
普段の蓮からは考えられない……。
蓮に見られていることにも気づかず配達の女性とスタッフの会話は続く。
「明日からは大丈夫?」
「まだ誰が配達するかはわかりませんが、いつもの時間に必ずお届けします。ありがとうございました」
会話が終了。顔を上げた女性と蓮の視線が一瞬だが交わる。
普通の女性なら、顔を赤くしたり可愛くアピールしてきたりと、蓮がうんざりするような態度をとるのだが、彼女は全く何もなくそのまま出て行ってしまった。
蓮の方が呆然と立ち尽くす。
「日比谷さん、遅くなりましたがお弁当です」
「日比谷さん、日比谷さん?」
弁当を受け取ったスタッフが声をかけても反応がなく、何度か呼ばれハッと我に返る蓮だった。
普段の蓮からは考えられない……。
蓮に見られていることにも気づかず配達の女性とスタッフの会話は続く。
「明日からは大丈夫?」
「まだ誰が配達するかはわかりませんが、いつもの時間に必ずお届けします。ありがとうございました」
会話が終了。顔を上げた女性と蓮の視線が一瞬だが交わる。
普通の女性なら、顔を赤くしたり可愛くアピールしてきたりと、蓮がうんざりするような態度をとるのだが、彼女は全く何もなくそのまま出て行ってしまった。
蓮の方が呆然と立ち尽くす。
「日比谷さん、遅くなりましたがお弁当です」
「日比谷さん、日比谷さん?」
弁当を受け取ったスタッフが声をかけても反応がなく、何度か呼ばれハッと我に返る蓮だった。