虹の彼方へ~運命の赤い糸は1枚の写真~  《シリーズ本編》
「柳田さん、マンションの管理と私の部屋を時々手入れしてもらってもいいですか?もちろんパソコンは持って行くので、いつでもメール下さい。スマホは置いて行きます。あとこれ。蓮の部屋のカードキーです。タイミングをみて柳田さんから返してもらえますか?」

「どちらへ行かれるか聞いても?」

「柳田さん覚えてますか?母の実家」

「ええ。確か南の方の、人口100人位の自然豊かな島でしたね」

「そうなの。高齢者ばかりの、のんびりした島。母の実家は、お隣の方がずっと管理してくれていて、いつでも住める状態なの。それに少し前にインターネットもちゃんと繋がったんだって」

「いつ出発されるのですか?」

「今日お弁当屋さんでお話して、金曜のお昼にはここを出たいと思ってるの」

「そうですか。妻も私も寂しいです」

「ぜひ遊びに来て下さい」

と話を終えた。









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