虹の彼方へ~運命の赤い糸は1枚の写真~  《シリーズ本編》
仕事が終わり奈々が待っている家へと急ぐ。

ところが…
エレベーターを降りて真っ暗な部屋。奈々の姿がどこにもない。

慌てて電話を鳴らすも電源が入っていない。

蓮は呆然と立ち尽くす。

そして初めて気づく。

奈々の家を知らない事に…

思わず海斗に掛ける。

「もしもし。蓮どうした?」 

「…」蓮はショックで言葉が出ない。

「蓮?蓮!」海斗は様子のおかしい蓮に焦る。

「蓮、どこにいる?」

「家」小さい声で呟いた。

「すぐ行く」と海斗の電話は切れた。


15分位してコンシェルジュから連絡が入る。

「桐島様がお越しです。来客者用カードをお渡ししてもよろしいですか?」

「はい」

来客者がカードを借りるときは、相手先に確認して必要書類を書いてもらうので、少し時間が掛かる。

少しして海斗が来る。

「蓮、どうした?」

「…奈々がいない」

「はぁ?電話は?」

「電源が入ってない」

「家は?」

「知らない」

海斗も呆然とする。










< 112 / 127 >

この作品をシェア

pagetop