虹の彼方へ~運命の赤い糸は1枚の写真~  《シリーズ本編》
 いつものように自分の部屋で新聞チェックをしているが、中々頭に入ってこない。こんな感覚は初めてで戸惑う。

 途中誰かがコーヒーを持ってきたが、気づきもしなかった。

 そしていつものように、ノックの音と共に「おっはよ~」と海斗が現れた。

「……」

「あれ?蓮?お~い!蓮??」

 海斗が不思議に思い、目の前まできて手を顔の前で振る。

 そこで、やっと海斗の存在に気づいた。

「あっ。ああ。おはよう」

「蓮?何かあったか?」

 余りにも不自然な蓮に困惑する。

「何か用か?」

「イヤイヤ。何か用か?じゃなくて。こっちが聞きたい!何があった?」

「何もない……」

「そんな訳あるか!!」

 思わず突っ込む。それ程いつもの蓮とは違うのだ。

「……」

「今度、ちゃんと教えろよ!」

 海斗もゆっくり問い詰めたい所だが、自分の仕事がある。気になるが金曜に聞くことにして部屋から出た。



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