虹の彼方へ~運命の赤い糸は1枚の写真~  《シリーズ本編》
 いつも通りに警備員の前を通過後、エレベーターでアナウンサー室のある15階へ向かう。

 アナウンサー室の入口から一歩踏み出すとあちこちか「おはようございます」と声が掛かる。

 蓮は軽く「おはよう」と返すとそのまま奥へ向かう。

 基本アナウンサーは、大きなフロアにデスクを並べているが、蓮には個室が与えられている。

 部屋に入ると「はぁ~」と大きな溜息が出た。

 家から局まで徒歩10分くらいだが、目立つ蓮は常に視線を向けられるので、ここに入りやっと一息つけるのだ。

 まずは、デスクに並べられている新聞各紙を見ることから始める。

 緊急のニュースが入っていないかを確認後、紙面を一時間程かけて隅から隅までチェックするのが朝のルーティンだ。

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