虹の彼方へ~運命の赤い糸は1枚の写真~  《シリーズ本編》
恋愛経験のない奈々でも、蓮の真剣さが伝わってくる。

「私、恋愛経験がないんです。あなたと目が合った時、今まで感じたことのない何かを感じたけど、それが何か確信が持てないの」

「俺も、今まで自分が人を好きになる事はないと思っていた。今まで、付き合った事がないとは言わないが、自分が好きになった事はない。初めての経験で驚いている」

「そうなんだね。一緒だ」と微笑んだ奈々に、蓮は思わず近付き抱きしめる。

「俺と付き合ってもらえないか?少しずつでいいから受け入れてほしい」

抱きしめられドキドキする奈々。

「少しずつでいい?まだ、自分の気持ちに戸惑ってるの」

「奈々。抱きしめても、嫌じゃない?」

奈々は、嫌じゃない自分に驚きつつ頷く。

蓮は今はこれで充分だと感じるのだった。胸の奥から温かい気持ちになる。
















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