虹の彼方へ~運命の赤い糸は1枚の写真~  《シリーズ本編》
奈々は蓮を起こさない様に静かにキッチンに行く。

蓮は、普段から気の張る毎日を過ごしているのだろう。いつの間にかグッスリと寝ている。

蓮のリクエストはハンバーグ。
ちょっと意外だった。
凄く落ち着いた印象の蓮の口からハンバーグ。
可愛くてニヤけてしまう。

チーズハンバーグとポテトサラダにコーンスープ。悪戯心を出しお子様ランチっぽくしてみよう。

普段から料理をするのであろう、蓮のキッチンは調理道具も揃っていて使いやすい。

わかりやすく収納しているので困る事がなかった。

ハンバーグを焼きはじめた頃、匂いに誘われ蓮が起きてきた。

「あっ、蓮おはよ~」

「すまない。寝てしまってた」

「なんで謝るの??疲れてる時は、寝るのが一番よ」
奈々の優しい言葉に蓮は微笑む。

「ありがとう」

「蓮。勝手にキッチン使わしてもらったよ~」

「ああ。もちろん構わない。いい匂いがしているなぁ」

「もう出来るよ」

「何、手伝えばいい?」

「じゃあ、お皿だしてもらえる?」

「了解」






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