虹の彼方へ~運命の赤い糸は1枚の写真~  《シリーズ本編》
「で?」

「なんか冷たくない??」

「いつもと一緒だろう……」

 毎日こんな感じのやりとりだが、お互い気兼ねなく付き合える親友だ。


「そうそう。今週の金曜の夜は空いてる?」

「特に予定はないはずだが……」

「久しぶりに、蓮の家に泊まりに行ってもいい?」

「……」

「OKね!じゃあ、金曜日~♪」

 蓮の返事を聞く前に、さっさと約束して出て行く海斗だった。


 いつもの事なので気にした様子のない蓮は、何事もなかったように新聞に目線を戻した。

 午前中は比較的のんびり雑務をこなすのが日課になっている。

 それでも、いつもなら人の出入りや電話が鳴り応対するのだが、今日は珍しく静かだ。


 いつもと少し違う今日、蓮は運命の出会いを果たすことになる……。

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