虹の彼方へ~運命の赤い糸は1枚の写真~  《シリーズ本編》
エレベーターに乗ったふたり。

「蓮。良かったな」と海斗。
少し酔ってはいるが意識はしっかりしている。

「ああ」と笑顔の蓮。

入社以来の付き合いだが、最近の蓮は初めて見る顔ばかりだ。いつも冷静で何事にもクールな対応の蓮が、ひとりの女性の存在でこんなに変わるとは思わなかった…

1階に到着しエントランスに向かう。

コンシェルジュが、
「日比谷様。タクシーが到着しております」
と声を掛けてくる。

礼を言ってエントランスに出るふたり。

「じゃあ。奈々ちゃんにもよろしく言っといてくれ」

「ああ」

海斗のタクシーが見えなくなるまで見送る蓮だった。















< 94 / 127 >

この作品をシェア

pagetop