おやすみのキスがないと眠れない。



「ーーやばいね、その顔......誰にも見せたくない」


「え?」


「可愛すぎる、陽葵が悪いんだらね」



そう言った圭人は、次の瞬間私の首筋に顔を埋めてきた。



「ちょっと!......ぁ」



チクッと一瞬の痛みが走る。


初めての刺激に、今まで出したことの無いような声が漏れた。



「な、何したの?」


「別に?それよりも、早く戻ろう」



なぜか、満足した様な表情の圭人。


見るからにご機嫌な彼は、私の手を離さないまま教室に戻った。


しかも、そのまま席まで連れていかれる。


まぁ、隣だから仕方ないのかもしれないけど、クラスのみんなからの視線が痛かった。


授業の準備をしていると、開始のチャイムが鳴り、それと同時に先生が教室に入ってきた。


全然、教科書見れなかったーー。



「よし、始めるぞ~。日直、号令」



先生がそう言って、今日の日直の人を先頭に挨拶をする。



「よろしくお願いします」


「はい、じゃあこないだの復習から」


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