おやすみのキスがないと眠れない。
先生が問題を言って、当てられた生徒が答える。
そして、圭人の言った通り、私の前の人から当てられていた。
ーーどうしよう。本当に回ってくる。
「じゃあ、次、中村」
「......はい」
本当に呼ばれてしまった。
とりあえず、返事をして立ち上がる。
「そうだな~...じゃあ、この問題」
先生は問題を言い始めた。
けれど、答えなんて私に分かるはずがない。
しかも、ちょうど圭人が膝枕をしてきた時の内容で、頭に入っているはずもなかった。
「どうした?答えられないのか?」
先生の軽い挑発に、恥ずかしくなる。
「すいませーー」
分かりません。と言おうとした私の声を、横から圭人が遮った。
「先生。陽葵をいじめていいのは俺だけなので、いくら先生でもゆるしませんよ?」
「は?」
たぶん、私を助けてくれたのだろうけれど、その言葉の内容に先生まで、ぽかんとしている。
もちろん、私も訳が分からない。
「ちなみに、答えはーー」
「せ、正解だ」