おやすみのキスがないと眠れない。
スラスラと的確な答えを言った圭人は、満足したように座った。
「陽葵も座りなよ」
「えっ、でも......」
私は答えても居ないのに、座っていいのだろうかーー。
「先生、いいですよね?」
「あ、あぁ。中村はちゃんと勉強しとけよ?瀬戸内っていう、いい先生がいるんだから教わっておけ」
そこは、先生の授業を聞いとけーー、じゃないのか。
「はい」
私が座ると、シーンとしていたクラスのみんなが一斉に吹き出した。
「相変わらずの溺愛っぷり!」
「中村さん、愛されてるね」
「えっ?」
突然賑やかになった、教室でみんなは、なぜか、私と圭人をニヤニヤと見ていた。
「言っとくけど、陽葵いじめたやつは許さないから」
「ちょっ、圭人何言ってーー」
「陽葵は俺のものだから、手出すなよ?」
私を置いて、会話が進んでいる。
それにーー。
「圭人、私は物じゃない!」
私は私だ。
圭人の物になったつもりは無い。
「ん?陽葵、俺にいじめられたいの?」