おやすみのキスがないと眠れない。
突然だったのに、相手が圭人だったから、嫌ではなかった。
むしろ、嬉しい。
「分かった?陽葵。俺の方が好きだから、これから覚悟しといてね?」
圭人は、今までにないくらい嬉しそうに、甘く言った。
「圭人......?私は......圭人の彼女?」
「っ......!何言ってんの、当たり前でしょ?俺以外の男を見たら、許さないから」
好きだとは言われたけれど、付き合うとは言われなかったので、一応確認で聞いてみた。
「信じてないなら、もう1回キスしとく?」
「えっ......んっ......」
私の返事を聞く前に、甘いキスを落とされた。
逃れようにも、圭人が離してくれない。
私の腰に回された手は、力強く、ビクともしなかった。
ここ、外なのに......。
「圭人......恥しい」
一瞬離れた隙に、止めていた息を吸った。
でも、圭人の顔はすぐ目の前にある。離してくれる気配は無かった。
「大丈夫。見えないから」