【短編】僕の本気
side.茜
──放課後。
もちろんるい君とは一緒に帰れないので、さっさと帰ってるい君の家に今日は行こうと思う。
「あ、待って小林さん」
「浦くん」
「今から暇?今日のお礼したいんだけど」
「あ、ノートの?全然いいのに!」
ノート貸しただけだし気にしなくて大丈夫なのに。
「いいから、ほらあの商店街のシュークリーム食べに行こうぜ」
「あ、でも浦くん部活は?」
確かサッカー部だったよね?
「今日は休み。ほら行こ!」
売り切れる前に──、と言って私の腕を掴み歩き出した。