【短編】僕の本気
「はい、手繋いで帰ろ」
「え、いいの?」
ずっと夢だったんだよね。
いつか、るい君と本物のカップルになれたら手を繋いで帰りたいって。
「ほら、」
と、私の右手を握った。
するとるい君は私の指の間にるい君のそれを絡ませた。
憧れの恋人繋ぎ…っ!
「あのっ、るい君」
「ん?」
「ど、ドキドキして心臓止まりそうなんですが…」
「僕も心臓痛いから安心して」
へ、心臓痛いって…、
「るい君もドキドキしてるの?」
「当たり前じゃん。こんなの初めてでしんどい」
まさか、るい君が私にドキドキする日が来るなんて……。
奇跡だ。