クールな彼のベタ惚れ事情
「なにって……ノートを先生に届けてるんでしょ。
久我こそどうしてここに?」
「そんなの、ノートを提出しに来たんだよ」
すごく上からな物言いだったけれど、自分が提出を遅れたせいでここまで来る羽目になったのだ。
少しは反省して欲しいくらいである。
「そういや向井、他クラスの奴がお前のこと探してたぞ」
「……あ、たぶん部活のメンバーかな。
じゃあ俺は先に行くね」
なにかを言いかけていた向井くんは、久我の言葉を聞いて先に行ってしまった。
結局聞きそびれてしまったけれど、大丈夫だろうか。
なんだか申し訳ない。