クールな彼のベタ惚れ事情



「こんな風に照れて、な?」
「やっ……」

さらには耳を弄ばれ、我慢するのに必死。

女嫌いで、ぶっきらぼう。
常に不機嫌そうな久我は何処へやら、今はすごく楽しそうだ。


「も、無理だよ……んっ」

最後に唇を重ね合わされて。
ようやく久我は私を離してくれる。


「いっぱいいっぱいな志穂もかわいいな」
「……っ」


熱が全身を駆け巡る中、久我が私の頭をポンポンした。
それから満足そうに笑う彼は先に帰っていくのである。

今日もしてやられた。
ふたりきりのときは、いつもやられっぱなしである。


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