クールな彼のベタ惚れ事情



それから長い話し合いを終え、一度教室に戻った私たちは自然と駅まで一緒に帰ることになった。


『文化祭、なにがいいだろう。
やっぱりやる側も楽しいと思えることをやりたいね』

『……ああ』
『あ、久我ってぜったい文化祭とか苦手なタイプでしょ』

『当たり前だろ、んなもんめんどくせぇ』


めんどくさいと思っていたのに、向井くんの替わりに話を聞いてくれた久我。

なんとなく嫌な人じゃないのかもしれないと、そのとき初めて好感を持った私は、久我に宣言したのだ。


『じゃあ今年の文化祭でぜったいに“楽しい”って言わせてやるからね!そのめんどうな気持ち、なくしてあげる』


文化祭を開催するからには楽しんでほしいし、全力でやり切りたい。

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