クールな彼のベタ惚れ事情
久我は誰もが認めるイケメンなのに対して、私は凡人。
久我の横に並べるほど美人でもかわいくもなければ、突出した才能もない。
「なんでそんな自信ないんだよ。
俺が初めてかわいいと思った女なのに」
「そ、れは久我の目がおかしくて……」
自信など持てるほうがおかしい。
ネガティブな思考に陥っていると、となりに座っている久我が呆れたようにため息をついた。
「志穂はかわいいのに」
「……っ」
久我の手が伸びてきて、私の横髪を耳にかける動作をする。
それだけでもピクッと反応してしまう私は、相当彼を意識していた。
「ほら、たったこれだけですぐに照れる志穂もかわいい。そんな顔されたら欲情する」
「お、女嫌いな久我はどこにいったの……!?」
いつもはクールで女嫌いの久我が、こんなに甘いだなんて聞いてない。
「んー、なんか志穂がかわいすぎて手を出したくなる」
私を自分の元へ抱き寄せたかと思えば、そんな甘いことを囁いてきて。
さらに胸がドキドキしてしまい、心臓が壊れてしまいそうだ。