クールな彼のベタ惚れ事情
「久我!またノート出てないよ!」
「……うっせぇ、ノートなんて知るか」
暑い夏が終わり、気温が下がっていく11月上旬。
今日も私は久我煌介に手を焼いていた。
前期に引き続き、後期も学級委員になった私、日南志穂はよく先生から雑用を任されることが多かった。
今日も国語の先生にノートを集め、昼休みに準備室へ持ってきて欲しいとのことだったというのに。
目の前の男は中々ノートを提出しようとしない。
このやり取りは今日で何度目だろう。
同じクラスメイトからの注目も浴びていた。