クールな彼のベタ惚れ事情
モヤモヤした感情は膨らんでいく一方。
サッカー部の向井くんの動きについていく久我の姿が確認できる。
普段はやる気のなさそうな久我だけれど、やるときはまじめにやる男だ。
真剣な久我の姿を見て、見惚れている女子が何人もいたようで。
モヤモヤとした複雑な感情は膨らんでいく一方だ。
「志穂!ボール行ったよ!」
「えっ、あ……」
しまった、と思ったときにはもうサッカーボールが目の前に来ていた。
女子も試合中だったというのに、ついよそ見してしまった私は絢からきたパスに慌ててしまう。