クールな彼のベタ惚れ事情
そのせいでバランスの崩した私はボールを踏んでしまい、さらに……。
「……いっ!?」
盛大に転んでしまう。
試合に出ていた人たちみんな、心配した様子で駆け寄ってきてくれたけれど。
恥ずかしくてたまらない。
これ、あとで笑い者にされるんじゃないかって。
「志穂ちゃん大丈夫?」
「うわっ、志穂!足すりむいてるよ」
「こ、これぐらい平気!」
とりあえず砂で汚れた足を洗うため、立ち上がろうとしたけれど……。
「……っ!?」
ボールを踏んでしまった右足首がズキッと痛んだ。
もしかして捻ってしまったのだろうか。