クールな彼のベタ惚れ事情
あまりの痛みにまたバランスを崩してしまいそうになる。
「志穂?本当に大丈夫?」
「うん、平気平気!足洗ってくるね!」
体育の先生にも許可をもらい、水道のある場所へと向かう。
その最中も足が痛んだ。
正直保健室に行くかどうか悩んだけれど、授業を途中で抜け出すのは嫌だし、周りに心配かけさせたくない。
体育が終わって着替えたあと、適当にうそをついて保健室に行こう。
幸い、体育の授業がもうすぐ終わる時間だ。
先生にも残りの時間は見学しなさいと言われたため、おとなしく座って試合が終わるのを待つ。
「もー、急に転んだからびっくりしたんだよ?」
「本当にごめん……せっかくパスしてくれたのに」
それから少しして体育の授業が終わった。
私と絢は更衣室に向かう中、右足首が痛んでなかなかいつものように歩けない。