クールな彼のベタ惚れ事情
「妬いてんだ?かわいいやつだな」
「……っ、悪い?」
「もっと妬けばいいのに。
俺は志穂のモノだって言いたくなるくらい」
「そ、それは……その」
久我と付き合っていると言えないくせに、嫉妬してしまう私は自分勝手だ。
そんな私を久我は受け入れてくれるのだから、不思議で仕方がない。
「まあ周りには秘密って、スリルあっていいけどな?」
言葉に詰まらせていると、久我がふっと小さな笑みを漏らして。
指で頬を撫でられる。
久我に触れられるだけですぐ恥ずかしくなり、頬が熱を帯びてしまう。
胸もドキドキうるさくて、足の痛みをを触れるほど、頬を撫でるその指に意識がいっていた。
「その表情、本当にたまんねぇな」
「い、今はダメ……」
久我はあまりに私をドキドキさせるため、気づけばモヤモヤした気持ちが消え去っていた。