クールな彼のベタ惚れ事情
「なにって、本当にありえない!
こっちはいつも久我で迷惑してんのに!」
「そんな怒んなよ。
普段しつこい日南への仕返し」
「はぁ!?しつこいって、提出物を出そうとしないあんたが悪いんでしょ!」
本当にありえない!
きつく睨みつけてノートとプリントを奪おうとするけれど、かんたんに躱されてしまう。
「……ふはっ、なに必死になってんの。
かわいいやつ」
「……っ」
そんな私を見て面白いと思ったのか。
不意打ちで笑顔を見せてきた久我。
普段の不機嫌そうな姿からは想像もできないほど、優しくてどこか幼い笑みに、思わず固まってしまう。