クールな彼のベタ惚れ事情
もちろん久我には決して言えないけれど。
なんだか期待しているみたいで嫌だ。
ただ今の私は久我と一緒にいられるだけで十分幸せである。
今日の定例会はそれほど長くならないはずだ。
これが終われば学校の何処かで待っている久我と連絡をとり、途中で合流して一緒に家へと向かう。
だから早く終わらないかなと、そわそわしているのかもしれない。
「そっか……もし急いでるなら、先に帰って大丈夫だからね?」
「本当に大丈夫だから……!ありがとう」
そんなの向井くんひとりに任せるなんてことは、ぜったいにしたくない。
それに向井くんがどうしても外せない用があったときは、代役を立ててくれるのだ。
それなのに私は向井くんひとりに押し付けるなんてできない。