クールな彼のベタ惚れ事情
「先生はいつも、なんの関係もない学級委員に“どうにかしてくれないか”って頼んでくるの!迷惑かけて申し訳ないって思わない!?」
「あー、わかったから。
あとで出しに行く」
「絶対だからね!」
しぶしぶ、という形で折れてくれたけれど。
私にとったら不服である。
高校1年のときでさえ、ここまで手のかかる人はいなかったというのに。
久我は中々手強い相手。
さらに賢いとなれば、なおさらタチが悪い。
「はぁ……」
「日南さん!」
ため息をつき、ようやく教室を出たそのとき。
少し離れた私に、廊下の少し離れたところから駆け寄ってきた男子がいた。