クールな彼のベタ惚れ事情
「今度行ってみたいな、日南さんの働いているカフェに」
「本当!?ぜひ来て欲しいな、美味しい料理がたくさんあるから!」
経営は右肩上がりで、評判も良いため、もっとたくさんの人にも知ってもらいたい。
そのため向井くんの言葉は素直に嬉しかった。
「失礼します」
カフェのオススメ料理を教えているうちに、準備室へと到着した私たち。
ノックをして中に入ると、国語の先生がちょうどドアに向かって歩いているところだった。
「おっ、来てくれたか。すまんが急に会議が入ったんだ、机の上にでも置いといてくれ」
「え、あ……わかりました」
国語の先生はそれだけ言い残すと、慌てた様子で準備室を後にした。