その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
現在、1限終わりの休み時間。
10分しかないというのに、私はクラスの女の子たちに囲まれていた。
幸いにも嫉妬の目を向けられることはなく、なぜかキラキラした目を向けられていて。
「あたしは1年の頃からふたりを見てきたからね。
いい感じだと思ってたな」
「め、芽衣ちゃん……!?」
私と橘くんがお似合いだなんてありえないのに。
芽衣ちゃんも乗り気で、なおさら誤解だと言いにくくなる。
どうしよう……本当に橘くんに申し訳ない。
チラッと彼のほうを向けば、彼は彼でクラスの男の子たちに囲まれている。
困っている私に対し、橘くんはニコニコ笑いながら話している様子で。
内心では『なんであんな地味女なんかと……』と思われていたらどうしよう……なんて、橘くんがそんなこと思うわけがない。