その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「ど、どうですか……?」
おそるおそる両手を広げ、橘くんにワンピースを見せる。
私が着たせいでワンピースのかわいさが半減していたら申し訳ない。
「……攫いたい」
「えっ……?」
「このまま連れ去りたい、やっぱりワンピースは危険だ。こんなところで着るものじゃない、ぜったいに俺以外の前ではそんな姿したらダメだからね?とりあえず買おう」
珍しく橘くんに落ち着きがなかった。
早口だったため、うまく聞き取れなかったけれど。
とりあえず試着を終えて、元の服へと着替える。
「姫野さん、そのワンピース俺に貸して?」
「はい……」
目的はわからなかったけれど、ワンピースを橘くんに手渡す。
もしかして似合わないから、遠回しにそれを伝えようとしてくれているのだろうか。