その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜



それなのに、この日のためだけに橘くんの貴重な時間だけではなく、お金までも使わせてしまったのだ。


「……え」

思っていることを口にすると、突然橘くんがおどろきの声をあげて、先ほど購入したワンピースの入った袋を落としてしまう。



「あの、だからこれは自分で買います……!」

そう言って財布を出そうとしたけれど、人が多いショッピングモールでお金を渡すのは失礼かなと思った。


「そ、そろそろ良い時間だね……!
今日は本当にありがとう。帰り道でお金返すね!」


今日はあまりにも橘くんのとなりにいすぎたため、なにかしらの罰が下りそうで怖い。

さすがに帰るんだと心に決めた私は、本日初めて橘くんより先を歩いた。

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