その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
もちろんショッピングモールの出口に向かって歩いている。
今日のデートはうまくいったと願いたい。
橘くんの優しさに救われた部分も多くあったけれど、なんとか乗り切ることができて……と、安心していたのも束の間。
「…………」
帰り道。
橘くんはずっと口を閉じ、笑顔はなかった。
やっとデートが終わり喜んでいるのだろうか。
もしそうだとしたら、もう少し早く切り上げるべきだった。
空気を読めない私は、さらに好感度が下がってしまったことだろう。
気弱な私は帰り道にワンピース代を払う話を切り出せず、ついには電車に乗ってしまった。
チラッと彼を見上げるも、やはりいつもの穏やかな表情ではなかった。
最後の最後で、私はどんな過ちを犯してしまったのだろう。