その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
まったくわからなくて、謝罪すらできない。
もたもたしているうちに、橘くんの降りる駅に着いてしまって……。
「え、橘くん……?」
「どうしたの?」
思わず橘くんの名前を呼んでしまった。
なぜなら彼が降りようとしなかったからだ。
結局ドアが閉まってしまい、橘くんは乗り過ごす形になってしまった。
「降りなくて良かったの……?」
「彼女をおいて先に帰れると思う?
姫野さんを家まで送らせて」
「私を送る必要なんてないよ!
まだ外は明るいし、それに……」
「まだ一緒に姫野さんといたいんだよ、俺は」
まっすぐな瞳を向けられて、なにも言えなくなる。
私と一緒にいたいだなんて。