その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「じゃあ今度はいつにしようか。俺はいつでも空いてるよ。いや、意地でも空けるからね」
「えっ……」
「でもこのワンピースは俺だけの前で着て欲しいからなぁ」
「あっ、お、お金だよね!」
お金を払うよう催促するために、あえて次のデートの話をしてくれたのか。
つい忘れてしまっていた私は、すぐ鞄から財布を取り出そうとしたけれど。
「お金なんていらないよ」
橘くんは財布を取り出そうとした私の右手をそっと掴んだかと思えば、ゆっくりと近づいてきて……。
視界いっぱいに映るのは、橘くんの顔。
そして唇には柔らかなものが触れる感触がして。
一瞬、なにが起こったのかわからなくなった。