その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「俺がほしいのは姫野さんだけだから」
「……っ」
ほんの数秒間、橘くんとの距離がゼロになった。
その理由はたぶん、橘くんにキスされて……。
ようやく状況を理解した私は、ぶわっと顔が熱くなる。
初めてのキスに戸惑いと恥ずかしさが混ざり合い、頭がパンク寸前だった。
「照れてる、かわいいね」
「キス……どうして、あの」
「姫野さんがまったく意識してくれないから」
「……へ」
「男とキスするのは初めてだよね?
これから俺でいっぱいにしてあげるよ」
頭をポンポンされて、穏やかな笑みを浮かべる橘くん。
一方で私は恥ずかしさがおさまらず、橘くんから視線を逸らすように俯いた。