その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
うわさの真実



デートの日以来、私はまともに橘くんを見れないでいた。


行き帰りは共にしているけれど、彼の目を一切見ることができず。

いつも彼との距離を人ひとり分ほど開けていた。


明らかに様子が変な私に対し、橘くんはいつもと変わらず優しくて穏やかな表情を浮かべていた。


きっと橘くんにとって、キスというものは付き合う上で当たり前なのだろう。

けれど私には慣れないもので、思い出しただけでも顔が熱くなる。


恋人のフリ……でも、キスってするものなのかな。

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