その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
これは、一大事だ。
ようやく訪れてきた放課後。
私は橘くんとの接触を試みたけれど。
なんと彼から私の席へとやってきてくれた。
「姫野さん、一緒に帰ろう?」
「……っ!」
これはたぶん、私と話がしたいということだろう。
つまり誤解を解くための作戦会議をするのだ。
「は、はい……!
帰ります!」
ガタッと勢いよく立ち上がり、私は力強く頷いた。
橘くんは少しおどろいた様子だったけれど、またすぐに笑顔を浮かべて。
明日には誤解が解けて平穏な毎日が戻ってきますように。
そう願って橘くんの後ろをついていこうとした……けれど。