その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
自然と私と橘くんはパチッと目が合い、彼はふっと頬を緩めて笑う。
ドキッと胸が高鳴ったのと同時に、私は勢いよく俯いた。
「今のはなに……!?
叶人くん、かっこよすぎない!?」
「天音ちゃん、本当に愛されてるね!」
「……っ」
愛されているだなんて、ありえないのに。
それでもキスをされたことが忘れられなくて、余計に橘くんに対してどのように接したらいいのかわからなくなる。
キスした理由なんて聞けないし、『恋人のフリをするため』と言われてしまえば、私ばかり意識しているのが明らかになってしまう。
「ほら、女子は自分たちの試合に集中する!
休憩してる女子も応援して!男子ばっか見てない」
大半の女の子たちが男の子のバスケに夢中だったからだろう、ついに体育の先生から注意の声が飛んできた。