その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
まさか橘くんが怪我を……?
不安に思っていると、私たちの体育の先生までもが向こうのコートへと走っていく。
「橘、ここがどこかわかるか?」
「……っ!?」
人が囲う隙間から見えたその姿は、頭を手で押さえる橘くんだった。
怪我を負ってしまったのだろうか。
ふと不安に思っていると、そんな彼の声が聞こえてきた。
「俺は大丈夫です。むしろぶつかってしまった佑樹に怪我はないですか?」
「あいつは肩だから無事だ、もし痛むようなら冷やすよう言っておく。それよりも橘、お前は頭をぶつけたんだから保健室に行くぞ」
どうやら相手の肩と、橘くんの頭がぶつかってしまったようだ。
それでも話せるということは、はっきりと意識があるようで安心した。