その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「今日はゆっくり休んでね。
無事であることを願ってます……!」
「……うん、ありがとう。今日は怪我のおかげで姫野さんと触れ合えたし、良い日なのか悪い日なのかわからないな」
「怪我は本当に気をつけてね……!
みんなも心配しているから」
「みんなって、姫野さんも入ってる?」
「もちろんです……!」
制服を届けると言い訳して、本当は橘くんの様子を見にきたのだ。
迷惑そうじゃなくて良かった。
「そっか、嬉しいな」
「じゃあ失礼します!」
最後に深々と頭を下げてから、保健室をあとにする。
今日の橘くんはどこかあぶない人に思えた。
『俺の彼女だってこと、自覚して』
真剣な眼差しを向けられ、冗談っぽさなどまったく感じられなかった。