その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜



本心でそう言ったのだろうか。
私が橘くんの彼女だと、自覚……なんて言っている間に、その関係は終わるはずだ。


「あっ、姫野さん」


教室に戻ろうとした際、背後から私の名前を呼ばれた。

パッと振り返ると、そこには紙パックのジュースを片手に持っている本原くんの姿があった。


「本原くん……!」

ひとりで購買に行っていたのだろうか。
本原くんはひとりだった。

いつも橘くんや友達と一緒にいるイメージが強いため、ひとりなのがなんだか新鮮だ。

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