その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「言っとくけど姫野さんは悪くないからな?」
「で、でも私が……」
「本当に純粋なんだな、姫野さんって。
明らかに叶人が悪いのに」
焦る私に対し、本原くんは呆れた表情をしていた。
「そりゃ変人な叶人から逃げないわけだ」
「変人……?橘くんが、ですか……?」
「叶人は姫野さんのことになると著しく思考力が低下するし、変な発言ばっかしてるし。そもそも姫野さん手に入れるために付き合ってるってうわさ流すとか、やべぇだろ」
「……へ」
本原くんはさらっと話していたけれど、最後にとても重大なことを話した気がする。
ふたりで階段をのぼっていた途中だったけれど、思わず足を止める。