その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「襲われないためにも、明日俺とふたりで勉強しよう。時間はどうしようか、それに合わせて迎えに行くよ」
どうしよう、素直にうなずくことができない。
本原くんにうわさの話を聞いてから、ずっとこの調子だ。
「姫野さん……?」
「あの、やっぱり明日はひとりで勉強し……」
「どうしてそんな悲しいこと言うの?もしかして今日は世界が滅亡する日……?ああ、苦しくておかしくなりそうだ」
あからさまに落ち込んだ様子へと変わる橘くんを前に、二度も断ることはできなくて。
これは演技?
それとも本心なのだろうか。
私では見分けることができない。