その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
けれど、さっきは『襲われる』って言っていたし、におわせているのかもしれない。
チラッと橘くんを見る。
彼はいつもと変わらず、キラキラと輝くさわやかな笑みを浮かべていた。
そうだ、いざというときは橘くんとちゃんと話せばいいのだ。
もし私が気に障るようなことをしたのなら、きちんと謝罪する。
それでもまだ橘くんが許してくれなかったら……そのときは、最悪証拠となるようなものを集めて……って、探偵にでもなった気分だ。
「ダメ、かな?」
「うっ……」
断られると思っているのだろう、悲しそうな目を向けられて。
そんなの……断れない。
「じゃあ……お願いします」
深々と頭を下げて、礼儀を見せる。
一体橘くんは私のどこに腹が立ったのだろうか。
何度考えても答えは出ないまま、その日が終わる。
そして橘くんと一緒に勉強する次の日が、あっという間にやってきた。