その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「私は、うわさのことを聞きたくて」
「俺たちの将来についてじゃなくて、うわさ……?」
ようやく橘くんが話すことをやめて。
ついに本題に入るときがやってきた。
「本原くんから聞いて……私たちが付き合ってるってうわさを流そうとしたのは、橘くんって本当……?」
おそるおそる質問する。
返答次第では土下座レベルに謝罪をしなければならない。
けれど少しの間、沈黙が流れてしまう。
ようやく橘くんが口を開いたかと思えば……。
「もしかして、俺のいないところで一輝と話したの?」
いつもよりトーンの落とした声。
どこか不満気な物言いで、不安に襲われる。