その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜



「私は、うわさのことを聞きたくて」
「俺たちの将来についてじゃなくて、うわさ……?」

ようやく橘くんが話すことをやめて。
ついに本題に入るときがやってきた。


「本原くんから聞いて……私たちが付き合ってるってうわさを流そうとしたのは、橘くんって本当……?」

おそるおそる質問する。
返答次第では土下座レベルに謝罪をしなければならない。

けれど少しの間、沈黙が流れてしまう。
ようやく橘くんが口を開いたかと思えば……。


「もしかして、俺のいないところで一輝と話したの?」

いつもよりトーンの落とした声。
どこか不満気な物言いで、不安に襲われる。

< 169 / 272 >

この作品をシェア

pagetop