その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「そしたら天は俺に味方してくれたんだよ。2年のクラス替えがあったあの日、姫野さんと同じクラスだと知ったときはもう……諦めないと誓ったよ。きっと俺たちは運命の相手なんだ」
橘くんは私をギュッと抱きしめながら、うわさを流した理由を話してくれて。
けれど私はわけがわからず、戸惑っていた。
「だからうわさを流して、強行手段を選んだのは正直姫野さんに悪いなって思ってる。でもこうしないと、姫野さんは俺を相手にしてくれない気がして」
「し、信じられない……です。
橘くんが私を好きだなんて」
「わかった、じゃあ信じなくてもいいよ。
でも俺のそばから離れないでね」
「えっ……」
「それに俺たち、もうキスまでした仲なんだよ。
今さら友達って関係に戻れるほうが難しいよね」
耳元で、甘く囁くように。
落ち着いた声がふたたび私の胸を高鳴らせる。