その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「顔、真っ赤だね。
俺にもっとよく見せて」
「……へ」
意外にも、橘くんは私のことを離してくれて。
立ち上がって自分の席にある荷物を取りに行こうとしたけれど、腕を掴まれてそれを阻まれてしまう。
「どこ行くの?」
「え、今から荷物を……」
「ダーメ。
俺に姫野さんの顔をよく見せてって言ったよね」
「あの、それって」
「はい、座ろうね姫野さん」
「座る……?」
そんなこと言われても……腕を掴まれているため、狭い行動範囲の中に座る場所などない。
「うん、ここに座って」
「えっ……でも」
橘くんに促されて、座らされそうになった場所は机の上で。
慌てて彼を止める。
机の上に座るだなんて、あまり良くない気がする。