その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「ほら、早く」
「わっ……あの、橘く」
痺れを切らした彼が、ヒョイと私の体を持ち上げて。
かんたんに机の上に座らされてしまった。
橘くんの座る椅子よりも、机の位置のほうが高いため、自然と私が彼を見下ろす形になった。
いつもと違う視界に、またドキドキしてしまう。
「なに?」
橘くんの上目遣いに慣れず、とっさに目を逸らした私。
すぐに彼はそれを指摘してきた。
「あ、逸らされた」
「……っ、だ、ダメです」
「なにがダメ?」
橘くんがいつもと違う。
ちょっぴり意地悪で、優しさが減っている。
だって、こんな恥ずかしいことをさせるなんて……わざとな気がしてならない。