その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「ふっ、本当にかわいい反応するね」
「そ、そんなことは……」
うつむきながらも首を横に振って否定する。
けれど橘くんは言葉を続けた。
「かわいすぎるから縛っていい?」
「……へ」
「今から姫野さんを独占するんだ。
どこにも行かないように」
橘くんが大人びた笑顔を浮かべて、ドキッとした。
その瞳に捉えられ、体が動かなくなる。
なぜか彼は制服のネクタイを緩め始めた。
「はい、姫野さん。
今から両手を俺の前に差し出して」
「え……」
「手首をくっつけるようにして差し出してくれると嬉しいな」
「こ、こうですか……?」
「そうそう。偉いね」
「……?」
特になにも疑問を抱くことなく、橘くんの言うとおりにする。
そんな私を見て満足そうに笑った彼は、突然ネクタイで私の両手首を巻き始めてしまった。