その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「……っ橘くん、これは」
「はい、完成。痛くない?」
「痛くはない、けど……解けなくて」
まるで紐の代わりになっているネクタイは、私の両手首を縛られてしまったのだ。
慌てて解こうにも自由が利かないため、なにもできない。
「じゃあ大丈夫だね。
このまま連れ去りたいなぁ……」
「橘くん、帰ろう……?」
「まだダメだよ。俺に姫野さんを堪能させて」
橘くんがゆっくりと私に顔を近づける。
ここは学校だからダメなのにって、わかっているけれど。
拒否する言葉が見つからない。
そのまま橘くんとの距離がゼロになり……唇が重なり合う。
気づけばそのキスを受け入れていて。
「んっ……」
ふいうちではないキスは、角度を変えて繰り返される。
甘くて、甘くて、目の前の彼でいっぱいだった。